SNSの快感は「前借り」!?~京都心療内科コラム
人間の快楽行為は、大半が「快楽の前借り」です。
そもそも快感を抱く際に、脳内でドーパミンという物質が出ます。
しかしこのドーパミン、あまりに手軽に何度も出していると、どんどん出づらくなったり、反応が鈍くなったりしてしまいます。
その結果、今までと同じ行動や物質では、そこまでの快感を得られなくなってしまいます。
するとどんどん量を増やさなくてはならなくなります。
お酒、タバコ、ネット、性行為…
すべての行動について言えることです。
そして量が増えるだけではありません。
ドーパミンが出づらくなると、「日常生活全般の喜び」も感じづらくなってしまうのです。
お酒やタバコをやりすぎることで、普段からボーッとして、退屈そうな人って周囲にいませんでしょうか。
もちろんゲームでもネットでも同じ。
その快楽行為のことばかり頭にあり、他の行動全般が楽しめなくなってしまうのです。
よって何かをするときは「これは将来の快感の前借りかもしれない」と考えることが大切。
そしてこれ、逆でも言えます。
たとえば今、何かをガマンにガマンして、そしてやっとのことで得た…!
そのときの快楽は、より強くなります。
この働きがあるからこそ、人間は様々な苦労を経て、色々な物事を達成できたのかもしれません。
とはいえ、ムダにブラック企業で苦しめ、とかではなく、自分の意思で何かを耐えた、という状況ですので注意しましょう。
何にせよ、快楽の総和は一緒。
そのためガマンを重ねて頑張れば、最終的に「残る」ものも、より大きい…そんなふうに考えて、今の行動のエネルギーにつないでいくといいのではないでしょうか。
(完)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。